重複する事項を整理するために「横断学習」は欠かせません。

社労士試験の勉強を進めていく上で欠かせないのが「横断学習」です。横断学習とは文字通り、複数の法律を横断的に学習することです。社労士試験の学習では、各科目の間に類似概念がたくさんあるため、項目は同じでも扱いが異なる箇所が無数にあります。そこで混乱しがちな知識を整理するために、横断学習は必要とされています。

たとえば、「労災法」と「健康保険法」には、どちらも「保険給付」がありますが、それぞれの法律について単独で学習していると、最初はどうしても知識が混乱してしまいます。そこで、2つの法律について同時に学習することで、知識の混乱を避けることができるのです。

横断的な整理をしておきたい代表的な項目には、「目的」、「時効」、「強制適用」、「任意適用」、「適用除外」、「被保険者」、「任意加入」、「報酬・賃金の概念」、「保険給付」、「待期」などがあります。このほかにもたくさんありここで全てを数え上げるわけにはいきませんが、みなさん自身がよくわからないと思うところは必ず整理するようにしてください。

横断学習には、横断学習専用の参考書も数多く出版されています。私見ですが、『社労士V横断・縦断超整理本』(日本法令)、『社労士横断式学習』(ダイエックス事業部 出版開発)などが、内容がよく整理されていてお薦めかと思います。ほかにもたくさん出版されていますので、書店でページをめくってみて、見やすいと感じたものを選ぶようにしてください。

横断学習を始める時期

これは意見のわかれるところです。それぞれの科目について勉強を始める段階、つまりテキストの一巡目から横断学習を取り入れた方が知識の整理が早まるという人もいます。また「類似項目」について学習するのだから、社労士科目の全体像がまだ理解できていないうちに比較学習をするのは、かえって混乱を招いてしまうとアドバイスをしている人もいます。

私は、このどちらの主張も正しいと思うのです。知識の引き出しはなるべく早く整理することに越したことはないのですが、引き出しに納める項目一つひとつ理解があやふやなままですと、かえって混乱をきたしてしまう危険性もあるということです。

これも私見になりますが、私は横断学習は、みなさんが「横断学習が必要だ」と感じた時点で取り入れるべきだと考えています。と言うのは「必要と感じた」ということは、その時点で脳が知識の整理を要求しているからです。そのタイミングは、人それぞれに異なるはずです。それがテキストの一巡目、もしくは3巡目かもしれませんし、人によっては過去問を解き始めるようになってかもしれません。

しかしいずれにせよ、横断学習の必要性を感じる時期は必ずやってきます。専用の参考書を買い揃えることだけは、学習を始める時期に済ませるようにしておいた方がよいでしょう。

横断学習用テキストの使い方

横断学習用のテキストは「解らない時に、必要に応じて使うもの」ものと考えてください。たとえて言いますと、英文を読んでいて記憶があいまいな単語を、辞書をひもとき調べる感覚です。ですから、基本テキストの学習(事項の理解)が定着していないうちに、横断学習テキスト偏重で学習しても、各科目の理解が深まることはありません。
しかし実際の学習では、ある程度の英語力がある人が辞書を頼る以上に、社労士の学習者は横断テキストのお世話になると思います。
横断テキストは、決して一章目から順を追って読む必要ありません。しかし、過去問やテキストの学習で知識が整理されていない箇所については、横断テキストで整理をする必要があるでしょう。
横断テキストは、理解、整理がされている事項については読む必要がありません。
みなさんが学習を進めるなかで、みなさんが必要と感じる部分だけをコピーするなどして、弱点補強のスタンスで勉強をするのがよいかと思います。