過去問中心の勉強法が王道の理由は?

社労士の学習材料には、基本テキストと過去問題集、そのほかに法改正や白書の資料、横断整理などの補助テキストや六法などが挙げられます。そしてその中心になるのは言うまでもなく「基本テキスト」と「過去問題集」です。試験勉強の大半は、この2つの教材を頼りに進めることになります。

それでは、基本テキストと過去問題集では、どちらを中心にして学習をするべきでしょうか? 答えは「過去問題集」です。 このことは、資格の試験対策に初めて臨む方には特に意識してほしいことです。問題集中心の学習のやり方に、最初は違和感があったとしても、「過去問の方が大事だ」ということを信じて勉強してください。

この判断に意識のブレがありますと、勉強が過去問、テキストのどっちつかずになり、思うように成果を上げることができません。そしてこのことにかぎっては、「人にはそれぞれの性格に合った学習法がある」ということは決して言えないのです。ここではその理由についてお話ししたいと思います。

私たちはみな、中学や高校の教室では教科書(テキスト)を中心に勉強してきました。
高校や大学受験の準備でも、みなさんは、教科書→参考書→問題集の順で学習していたはずです。

ところが、社労士の試験にかぎらず、資格取得の試験対策ではこのプロセスが異なります。
テキスト(教科書・参考書)よりも、問題集を中心に学習しなければならないのが、資格試験の勉強なのです。

その理由は、意外と単純です。
市販の書籍、通学・通信の教材を問わず、資格対策の基本テキストはすべて、過去に本試験で出題された問題(つまり過去問)を元に編集されているからです。

不思議に思われた方は次のことを想像してみてください。予備校や出版社で教材作成に携わるスタッフが、本試験の問題や出題範囲について、試験の実施団体や試験作成者から何かを聞き出すことは可能でしょうか?守秘義務など常識を考えたら、それはまったく許されないことです。つまり優れたテキスト編集のプロといえども、彼らがテキストを作成する上での情報源は過去問にしかないのです。

このことを言い換えますと、試験突破(合格ラインという意味です)に必要な情報はすべて過去問に集約されていて、基本テキストは過去問に情報が肉づけを施し、問題を解く道具として編集されているということです。

「年間スケジュール」のページでも書きましたが、学習のスタートラインはテキスト(入門書を含む)から始めるしかありません。しかし基礎知識の理解がある程度固まった段階からは、速やかに過去問中心の勉強法に切り替えるようにしましょう。

ところで、ここまで述べてきたことについて「基本テキストはおざなりしてもいい」という風にはくれぐれも誤解なさらないでください。基本事項の理解なくして問題を解くことなどできませんので、テキストもやはり非常に大事です。

私がアドバイスをしたいのはあくまで、「過去問←→テキストの往復学習を、過去問を軸に行う」ことが大事だということです。

また、これは学習をしていてしばらくしていると気づくことですが、基本テキストと過去問では、網羅されている情報に相違があることがわかるでしょう。
テキストには載っているが過去問には出ていない情報がある、あるいはその逆のケースが度々あるでしょう。

こうした事情において優先すべき学習の心得は、
(1)過去問とテキストに共通する情報を押さえる
(2)過去問に載っているが、テキストに載っていない情報を押さえる
(3)テキストに載っているが、過去問に載っていない情報を押さえる
ということです。

過去問で数多く出題されていればいるほど重要ということを意識しながら勉強することです。
このことは、後に解説いたします「合格点主義の勉強法」とも大きく関連してくることですので、くれぐれも留意してください。